鈴木・宮浦カップリングを有機系研究室の練習実験として行う条件のおすすめ!

   

練習実験で鈴木宮浦カップリングやる

A simple and efficient protocol for Suzuki coupling reactions of aryl chlorides and aryl bromides in aqueous DMF

J. Organomet. Chem. 2014, 749, 83.
Leifang Liu, Wendi Wang, Chuanyong Xiao

研究室が始まって三週間くらいたったのか。
早い、早すぎる。(^_^;)

まったく研究できてないんですねぇ。。。
研究室の整理が必要で実験がなかなか始められない。

が、いつまでもだらだらしてはならないので、昨日からやっとこさ練習実験を始めました!!

どうせやるならいい反応回してもらいたいなぁ、と思ってノーベル賞反応「鈴木・宮浦カップリング」を練習実験としてやってもらうことにしました。

 

条件を探す

しかしながら鈴木・宮浦カップリングをやることに決めても、思ったより条件探すの苦労した。
例えばこんな条件で却下になる。

・Pd(PPh)4使用:高い。
・塩基としてセシウム塩使用:高い。
・ナノパーティクルでどうのこうの:論外、無理。
・配位子や溶媒が汎用でない:そんなの買うお金ない。
・反応遅い:練習実験やからねぇ、数時間以内におわってほしいよね。
・触媒量が5%以上:高い!
・収率80%くらい:鈴木宮浦カップリングならもっといいのあるやろ・・・

てな感じで、だいたいお金が理由ですね(^_^;)結構お高いよね。カップリング反応。
立ち上げ間もない我々の研究室にとっては試薬の値段一つ一つが致命傷になる。。。

そこで選んだのが今回紹介する論文の反応条件。
うちの研究室で実際にやってもらっている練習実験の論文です。

 

この条件の優秀なところ

・触媒が酢酸パラジウムで安価!しかも触媒量が少ないのでお安く済む
・すべて入手容易かつ比較的安価な試薬で実験可能。
・温度が温和。
・反応が激早!!30分で終わる。
・なんと空気中でやっても大丈夫。(練習実験ということで一応適当なアルゴンに置換してもらったけど)

実際に四年生が昨日反応かけて、今日クルードのNMR見たんだけど、めちゃくちゃ綺麗に反応が進行していそうだ。

まじかよ、こんな条件でここまできれいに反応が進行するんですね。
さすが鈴木宮浦カップリング。

今回の論文の著者らもすごいですね。究極のラボフレンドリーな条件に思えます。
練習実験のカップリング反応でこれ以上の条件ある??

まぁ、もっとも我々の収率だすのはまだなんですけどね。
明日か明後日、カラムかなぁ。

2018. 4. 20追記:私も反応かけてカラムしたところ92%の収率でした。文献は98%で、ちょっとロスった心当たりもあるのでこんなもんかな。久しぶりの合成、分液、カラムでしたが実験は楽しいね!カラムした後のNMRも感動的にきれいでした!!うれぴー!(#^O^#)

やってみた課題

来年もたぶんこの実験を練習実験に使うのだろう。いくつか反省点がある。

p-ブロモトルエンはブロモベンゼンに変更

p-ブロモトルエンは融点が26-29度と一番扱いにくい領域。温めたらいいやぁと思ってたけど、融点低いのに結晶性がかなりよくて、シリンジの中で冷めると一瞬でがちがちに。んー!めんどい!!
液体の扱いにも慣れてほしいから液体のものを使うとして、ブロモベンゼンでよかったな。

フェニルボロン酸でなく、p-メトキシフェニルボロン酸に変更

p-メトキシフェニルボロン酸注文してたけど、試薬が届かなかったんで、フェニルボロン酸に変更。今回はしょうがないが、生成物のNMRで芳香族領域がやっぱり見にくい。

来年は基質をもうちょい考える必要があるね。

 

練習実験にいかがだろうか?

今回の条件は練習実験に本当にいいと思う。

お安いし早いし、四年生以外も「実は鈴木・宮浦カップリングやったことないんだよね・・・」的な人のSMC-DT卒業にもお勧めできる。

お試しあれ!

 

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