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鈴木・宮浦カップリングを有機系研究室の練習実験として行う条件のおすすめ!

2019/06/16
 
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練習実験で鈴木宮浦カップリングやる

A simple and efficient protocol for Suzuki coupling reactions of aryl chlorides and aryl bromides in aqueous DMF

J. Organomet. Chem. 2014, 749, 83.
Leifang Liu, Wendi Wang, Chuanyong Xiao

研究室が始まって三週間くらいたったのか。
早い、早すぎる。(^_^;)

まったく研究できてないんですねぇ。。。
研究室の整理が必要で実験がなかなか始められない。

が、いつまでもだらだらしてはならないので、昨日からやっとこさ練習実験を始めました!!

どうせやるならいい反応回してもらいたいなぁ、と思ってノーベル賞反応「鈴木・宮浦カップリング」を練習実験としてやってもらうことにしました。

 

条件を探す

しかしながら鈴木・宮浦カップリングをやることに決めても、思ったより条件探すの苦労した。
例えばこんな条件で却下になる。

・Pd(PPh)4使用:高い。
・塩基としてセシウム塩使用:高い。
・ナノパーティクルでどうのこうの:論外、無理。
・配位子や溶媒が汎用でない:そんなの買うお金ない。
・反応遅い:練習実験やからねぇ、数時間以内におわってほしいよね。
・触媒量が5%以上:高い!
・収率80%くらい:鈴木宮浦カップリングならもっといいのあるやろ・・・

てな感じで、だいたいお金が理由ですね(^_^;)結構お高いよね。カップリング反応。
立ち上げ間もない我々の研究室にとっては試薬の値段一つ一つが致命傷になる。。。

そこで選んだのが今回紹介する論文の反応条件。
うちの研究室で実際にやってもらっている練習実験の論文です。

 

この条件の優秀なところ

・触媒が酢酸パラジウムで安価!しかも触媒量が少ないのでお安く済む
・すべて入手容易かつ比較的安価な試薬で実験可能。
・温度が温和。
・反応が激早!!30分で終わる。
・なんと空気中でやっても大丈夫。(練習実験ということで一応適当なアルゴンに置換してもらったけど)

実際に四年生が昨日反応かけて、今日クルードのNMR見たんだけど、めちゃくちゃ綺麗に反応が進行していそうだ。

まじかよ、こんな条件でここまできれいに反応が進行するんですね。
さすが鈴木宮浦カップリング。

今回の論文の著者らもすごいですね。究極のラボフレンドリーな条件に思えます。
練習実験のカップリング反応でこれ以上の条件ある??

まぁ、もっとも我々の収率だすのはまだなんですけどね。
明日か明後日、カラムかなぁ。

2018. 4. 20追記:私も反応かけてカラムしたところ92%の収率でした。文献は98%で、ちょっとロスった心当たりもあるのでこんなもんかな。久しぶりの合成、分液、カラムでしたが実験は楽しいね!カラムした後のNMRも感動的にきれいでした!!うれぴー!(#^O^#)

やってみた課題

来年もたぶんこの実験を練習実験に使うのだろう。いくつか反省点がある。

p-ブロモトルエンはブロモベンゼンに変更

p-ブロモトルエンは融点が26-29度と一番扱いにくい領域。温めたらいいやぁと思ってたけど、融点低いのに結晶性がかなりよくて、シリンジの中で冷めると一瞬でがちがちに。んー!めんどい!!
液体の扱いにも慣れてほしいから液体のものを使うとして、ブロモベンゼンでよかったな。

フェニルボロン酸でなく、p-メトキシフェニルボロン酸に変更

p-メトキシフェニルボロン酸注文してたけど、試薬が届かなかったんで、フェニルボロン酸に変更。今回はしょうがないが、生成物のNMRで芳香族領域がやっぱり見にくい。

来年は基質をもうちょい考える必要があるね。

 

練習実験にいかがだろうか?

今回の条件は練習実験に本当にいいと思う。

お安いし早いし、四年生以外も「実は鈴木・宮浦カップリングやったことないんだよね・・・」的な人のSMC-DT卒業にもお勧めできる。

お試しあれ!

 

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Comment

  1. K より:

    初めまして。
    こっそり定期的に記事を拝見しております大学教員です。

    鈴木宮浦カップリングが空気中で出来るのはいいですね。
    私も学生実験でクロスカップリング反応とかさせられたらいいなという考えのもと、安価で再現性のいい反応がないか最近探しておりました。

    すでに下記論文を参考に導入してまずまずの状況ですが、触媒反応に1度だけ窒素置換が必要なところが難点です(本当はバルーンぐらいで済めばいいのですが・・・)。

    クロスカップリング参考論文:Tetrahedron 2000, 56, 8657-8660
    ニッケル錯体合成参考論文:Organometallics 2014, 33, 2012-2018

    高価なパラジウムを学生実験の人数で利用するのは難しそうですが、いい反応ですね。

    窒素置換設備さえあればニッケルの方も便利で安いのでおすすめです。特に、触媒を塩化ニッケルの水和物(激安)とトリフェニルホスフィンから作れるのが経済的に嬉しいところです。用途があえば是非お試しください。

    • moroP より:

      >>Kさん

      >鈴木宮浦カップリングが空気中で出来るのはいいですね。
      ほんとそうなんですよね(^_^;)こんなに楽にできると思ってなかったんでびっくりです。

      学生実験となると研究室の練習実験より金額にシビアですよね・・・今回の条件も学生実験のスケールと人数賄うのはしんどそうです。

      そこでなるほど!!ニッケルという手がありましたね!
      なぜか考えてもいなかったです。

      参考文献も教えていただきありがとうございます。
      流し読みですが、シンプルでいい条件ですね。
      しっかり準備すれば学生実験でも使えそうですね(^O^)!

      窒素置換が必要なことも欠点といえば欠点ですが、教育的観点から悪くないように思えてきます。(失敗してしまう人がでたときのバックアップがあればいいのかもしれません)

      あんまり安上がりで済む反応条件ってのを探したことがなかったのですが、結構おもしろいですね!

      ちょっと来年の練習実験に検討してみます・・・!

  2. バンコム より:

    楽しく読ませんていただいております。
    結晶性の良いp-ブロモトルエンですが、「そんな時は溶液にして加えると良いよ」的に教えてあげると応用的な雰囲気出ますよね。
    うち研究室でも、ちょっとした工夫でやれることだけど、やったことないから思いつかない、っていうのがよくあります。

    • moroP より:

      なるほどストックソリューションの練習としてメニューに組み込むのはありですね!!
      ありがとうございます。
      いい練習実験になりそうです!!

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