初めての講演会で試した質疑応答のやり方
講演で実験
先日、千葉工業大学にて講演する機会を頂きました。
ホストの原口先生は、私と大学の同級生ながら、すでにPIの新進気鋭の研究者(原口研究室)。昔からの知り合いということコミコミで、第一回有機化学講演会の講演者として呼んでもらいました。ありがとうございます~ヽ(^o^)丿
せっかく講演させてもらうから、できるだけ聞いてもら人には楽しんでもらいたい。そこで今回、ワンアイデア試してみることにしました。
ずばり、「ポストイットで質疑応答する」というものです。
やってる側も盛り上がりを感じましたし、原口先生や講演を聞いてくれた学生の方からも割と好評だったのでシェアしたいと思います。
今回の講演会で試したポストイット質問形式. 講演前にポストイットを参加者に配り, 質問(化学以外も可)を書いてもらう. 講演と一般的な質疑応答の後, 質問紙を回収. 自分がそれを読み上げ, 講演者の先生が回答する. 匿名性は質問の心的ハードルを下げるのに有効だと実感, 今後もこのスタイルでいく. pic.twitter.com/IJfFzUsJgu
— 原口 亮介 (@hara_halogen) 2019年6月2日
やり方
やり方はシンプル。
①講演が始まる前にポストイット一枚を全員に配る
②質問があれば、講演中にポストイットに書いてもらう。(化学に関係あってもなくてもよい。)
③講演終わったら、普通の質疑応答をするとともに、スタッフにポストイットを回収してもらう。(今回は原口研究室の学生さん)
④普通の質疑応答をして、適当なところで切り上げる。
⑤ホスト(今回の場合は原口先生)にポストイットの質問を代読してもらい、それにバンバン答える。
ポストイット質疑応答の効果
質問者の心理的バリアをさげる。
今回のように、主に学生に向けた講演の場合、やはり学生の皆様からバリバリ質問してきてほしいなぁ、というのが話す側からの願い。とはいっても講演会で質疑応答の時、学生が手を挙げるのはなかなかハードルが高い。私も学生時代ほとんど質問したことなかった。
このポストイット質疑応答ならば、匿名かつ書き言葉で質問できるので、かなり心理的負担少なく質問できる。
質問の質が変わる
講演会で質問するときは、なんとなくまじめな質問しなければならない雰囲気が漂っている。個人的意見になるが、正直お堅すぎるのは退屈だ。といっても、普通の質疑応答でしゃれの効いたことを言うのは勇気がいる。
一方、このポストイット質疑応答は、上述の心理的負担の少なさのためか、かなりライトな質問が飛んでくる。
例えば実際に「奥さんとはどこで知り合いましたか?」という質問が突然飛んできた。普通の質疑応答ならば、よっぽどのメンタルの持ち主でなければ聞けないだろう。
たまにこういうのがあると、和気あいあいとするので、非常にいい効果があると思います。(^O^)/
質疑応答の数がさばける
普通の質疑応答は案外、数がさばけない。
普通の質疑応答で手を挙げてしてくれた質問に対しては、ついつい議論になって質問者と講演者だけの間だけで盛り上がってしまう。これはこれで大事なんだけど、一つ当たりのやり取りに時間がかかって、質問の数がさばけなくなってしまう。
一方、ポストイット質疑応答は質問の数がすごく多いことが初めからわかっている。ポストイットを白紙で捨てるくらいなら、なんか書いておこうというのが人情というもの。講演に来てくれた人の数だけ質問が出てくる。
講演者もそのことが初めからわかっているので、結構急いで答えようとする。
結果、すごくさくさく進むのだ。
つまり、ポストイット質疑応答では、沢山の質問にさくさく答えることになります。
お試しあれ
岡田斗司夫という人が講演でやっていて、私のオリジナルでも何でもないアイデアですが、学術講演においても非常に有効であるように思えました。特に学生向けの講演では、効果が高いと思います。通常の質疑応答と異なる質問が飛び出るので、普通の質疑応答と併用すると楽しいと思います。
発表する人はもちろん、発表を主宰する側も一度検討してみてはいかがでしょうか??
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