化学系の修士や博士の就活のポイントを考える
そうか~就活が今年も始まるのね。
質問箱にて就職活動についての質問をくれた方がいた。
“化学の博士課程は就職が難しいと聞きました。実際のところはどうですか?”
んーまー運なんだよね、正直。(^_^;)
私は客観的に相当楽だっただろう。自分なりにしんどかったが、他の人より受けたところも少なく比較的すんなり決まったと思う。ただ優秀なのに就活で苦労してる人も知ってるから博士の就活が単純に楽とはいえない。
いい機会なので修士と博士就活について今思うことをつらつら書いていこうかなと思う。
私は不良社会人なのであんまり真に受けず、参考程度にしてもらえればいいかな。
修士の就活のポイント
化学という分野自体は有利
あんまり自覚ないまま終わる人が多いと思うけど、化学系という時点で実は割と就職は有利だ。文系は明らかに理系より就活大変そうし、同じ理系の中でも専門に対応する企業がない分野は大変。
例えば友人に「オンブバッタはなぜオンブするのか?」という非常に興味深い研究をしていた人がいたが、なかなか彼の就活は大変そうだった。まぁ彼はすこぶる優秀なので最終的にはいいところに行ったが、彼の所属する研究室は就活に相当苦労(まじヤバイ的な意味で)している人が多かったらしい。
何が言いたいのかというと、化学という分野自体は武器になるのだ。昆虫扱う会社より、化学物質扱っている会社のほうが明らかに多いのだ。
だから化学している時点で一歩リードと思ってよい。ただこれは次に書くように単純に個人にとっていいことではない。
化学できないとリードが消える。
このリードはあくまで分野としてのリードで、個人のリードでない。つまり自分だけでなく他の化学系の人も同じようなリードがあるのだ。
化学系の学生がまじめに研究したほうがいい理由はこのあたりにある。もし自分だけ研究さぼって化学の知識が少ないと、このリードが自分だけなくなる。化学できる代わりの人がいくらでもいるのだ。何かよっぽど光ったものがないと就職に苦労するだろう。
だから実験して勉強して、特定の分野でもいいからある化学は詳しいと言えるようになっておく必要がある。それがスタートラインになる。
企業へ自分を採用した際のメリットをアピールする
スタートラインに立ったら、もう実はおそらくそんなに差は生まれない。正直、新卒なんて企業の人から見たらどれも似たり寄ったりだろう。
本当は優秀・無能とかあるんだろうけど、そんなのは何十年かしないとわからない。(見た瞬間わかる優秀な例外は存在するだろうが、そんなのはもはやライバルではない)
あとはアピールの問題である。アピールの戦略はシンプルだ。
面接官も会社員なのだ。つまり上司に報告義務みたいなものがある。
面接官は自分の上司に「化学できるし、なにより○○○○という理由で採用しました。」と報告するだろう。
この○○○○をESに書いて、面接で言って、面接官に納得してもらえれば勝ち。
恥ずかしながら私の場合を書いておくと、「○○○○=研究の提案力が圧倒的」といった具合だ。もちろん実際そこまで研究の提案力が優れているわけでもないけど、ちょっとは自信のあるところであったし、論文という形で面接官を納得させうるストーリーがあった。
修士ならば○○○○は研究についてでなくてもよい。会社は研究オタクばかり欲しているわけではないので、人間性や他の事でも受け入れてくれるだろう。
部活・サークル・バイト・ボランティア・趣味・・・題材は無限に考えられるが、なんにせよ受ける会社のためになる○○○○を考え、面接官に納得してもらえるストーリーを用意しよう。
鋼の心をもつ
就活はよっぽど優秀でないと普通落ちる。けっこう落ちる。でも、一社受かればいいのだ。いっぱい内定もらう必要はない。
だから萎えて、自暴自棄だけになってはならない。
あきらめず、精一杯頑張ろう。
落とされたら、「あの無能人事が!!」くらい思うようにしとこう。君は悪くない。
でも一方でドライに傾向と対策を練って、次の戦いの糧にしよう。
あとは数打てば大丈夫!
博士の就活のポイント
博士ってこの日本において就職活動でほとんど有利に働かない。賛否あるところだと思うが、文句を言っていても仕方あるまい。
また単純に他の人より長く研究しているので、○○○○が修士と異なり、研究に関することに限られる。
このため博士は修士より行ける会社の選択肢が基本的に減る。
専門よりキャラ重視な会社にはなかなか採用されないだろう。
じゃあ、博士はどうしたらいいの
博士はできるだけ明確な○○○○を用意せねばならない、誰もが納得できる形で。
修士が○○○○を受ける会社に合わせて用意するとしたら、博士は確固たる○○○○を用意したほうが良い。もちろん、そんな独りよがりなものは相手企業に刺さるかはわからないが、確固たるものでないと修士に負けちゃう、あっちは若いから。
なので博士は確固たるものを引っ提げて、自分の○○○○を大事にしてくれそうな会社にアプライするしかない。
これがいつ見つかるかは運次第・・・最初に博士の就活は運といった理由だ。
教授の縁故採用とかあるとだいぶ楽だけどねぇ。ないなら全身全霊でがんばろう。
就職活動する方へ
みんなこれから大変だと思います。
行きたいところに行けない人もいると思いますが、気に食わない会社なら後で転職すればいいらしいですよ?
人生は長いからね。実際、そういう人も結構聞きます。
気楽に!なんていっても気楽になんかならないでしょうけど・・・精一杯がんばりましょう!
関連記事
(1) 理系・化学系の研究室の選び方:就職やコアタイムなどについて
(2) 理系・化学系の就職活動:技術面接のポイントを考える
●他の学生必修事項まとめはこちら
コメント