日本の研究力低下の主な経緯・構造的要因案をウォッチする

   

日本の研究力低下を偉い人はどう見ているのか??

なぜ日本の研究力は低下している??

twitterからノーベル賞受賞研究者のインタビューまで、いろいろな場面で偉い人が日本の研究力低下を嘆く声が聞こえる。

まぁ、私としてはそういわれないように精一杯頑張るだけだけど、偉い人が「なぜ日本の研究力が低下しているのか?」をどう捉えているかはすごく興味がある。

今後のアカデミアの未来に少なからず影響あるだろうからね。

そこまで昔を生きていない私からすると「そもそも日本の研究力低下してんの?昔なんて知らないしわかんなーい」みたいな話なわけだけど、なんで研究力が低下しているのかについて研究者らしくデータバリバリで議論しまくっている人はあんまりいないよね(^_^;)(そりゃぁ、めんどくさくて調べてられない。)

でも安心してください、偉い人はきちんと調べている!

今日は「文部科学省学術分科会、第68回配布資料2-1および2-2:日本の研究力低下の主な経緯・構造的要因案」をウォッチしてみよう!!

細かいことは元の資料是非ご覧あれ。

 

構造的要因

日本の研究力低下の構造的要因であげられている点で目を引くのは

近年、教員の実質的な業務量増加、基盤的経費の減・外部資金の増、(教員数増の中での)若手ポストの減少など
論文生産性と強い関連性が示唆される若手研究者の減少及び研究者を取り巻く環境の悪化に伴い研究力が大幅に低下

文部科学省学術分科会、第68回配布資料2-1より引用

つまり、論文出してるのは若手やけど、そいつら大変な状況やから研究力低下しているで~ってこと。

ちょっと意外に感じるよね。
若手の方が論文出してるのか。

このことについてはScienceの論文を引用している。
このデータが意味するところは研究者がキャリア形成8年以内に論文生産性のピークを迎えるということを表している。


図1. キャリア初めから8年以内が生産性のピーク(関連文献1より引用)

そうなんだ~!!(゜o゜)
個人的にも今が一番大事なんだなぁということもうかがえるなぁ。

さらに助教のおかれている状況を様々なデータで分析。
例えば、研究時間は労働時間の62.6%→56.2%に低下していることも指摘。

で、なにより驚くべき露骨なデータがこれ。


図2. 若手研究者の任期とシニア研究者の任期(文部科学省学術分科会、第68回配布資料2-2より引用)

わずかこの10年で

40歳未満の任期付きポストは倍、任期なしは半分に。
40歳以上の任期なしは全く変動なし。

そうなんだ~・・・昔とは状況が違うと聞いていたが、こうやって数字で見ると思ったより厳しい感じね(^_^;)

簡単にまとめると「論文生産性の高い若手研究者の研究時間は昔より短くなり、さらに時間的猶予も任期の関係からなくなっている」ってことだもんね。

 

そういったこんなで

まぁ、上記のデータだけでも若手の大学教員が増えるわけないと思われるが、実際に若手大学教員の割合はみるみる減っている。


図3. 39歳以下だけみるみる減っている。(文部科学省学術分科会、第68回配布資料2-2より引用)

ちょっと~・・・減りすぎちゃいますぅ??(^_^;)
思ったより傾きが急よね。。。

 

所感

数字って時にすっごい露骨よね。

聞いてた話よりも深刻に感じたのは私だけだろうか?

ただ、偉い人の中にもある程度その状況を深刻視してくれている方々はいるようで、その点は少しだけ明るいと思える材料だね。(もっとも上記の状況が変わってくるのは我々、現在の若手研究者より後の世代だろうけど・・・)

ここまで状況が変わっていると、これまでうまくいってたアプローチも今の時代にも適用できるかどうかはなかなか疑問だ。

まぁ、我々としてはこの現状を正しく認識し、楽観も悲観もせず、自分の最善を尽くすのみですね・・・!!

私はできる範囲でがんばってみよーかな

 

関連文献
1) Clauset et al., Science 2017, 355, 477.

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