理系就活:技術面接のポイント
質問箱でこんな質問を頂きました!
修士一年の就活生です。
技術面接はどんなことを意識して発表をしましたか?
質問ありがとうございます!!
質問箱で質問いただくとお題になって、物事を考えるすごくいい機会になります。
この前の就職活動についての記事は確かにざっくりとしていて、そういえば技術面接に向けた事は書いてなかったな。
基本的な戦略は前回の通りなので、まずそちらを読んでから今回の記事を読んでほしい。
技術面接を考える
前回の記事の繰り返しになるが、化学系の技術系採用でアピールすべきは2点と考えている。
1. 化学が分かっている事
2. 相手企業の為になるプラスαがある事
技術面接でもこの点は変わらない。しかし1の化学を分かっているかは技術面接でしかアピールできないので、今回は1を考えよう。
化学分かっている事を伝える
化学わかってると思ってもらうため私が気を付けていたのは以下の三点。
この三点を伝えればある程度化学分かってるんだなと判断してもらえると思う。
・一般的な化学知識がある事を示す。
・自分の研究テーマの内容を伝える。
・そのテーマをどのように主体的に取り組んできたかを伝える。
それぞれについて考えてみよう。
一般的な化学知識があることを示す。
これは専門分野の教科書的な知識があるかどうかを見るもの。
例えば有機化学の研究室出身なのに共役、酸性度、芳香族性やマイケル付加みたいな言葉通じなかったらまずいよね(^_^;)
普通に研究してたら問題ないはずだが、不安な人はまず教科書読んで勉強しよう。
あ、ぼくですか?ポリマーを一応少しかじっている設定だったんで(嘘ではないけど)、不安があったのでちょっとポリマーの勉強しました(^_^;)
自分の研究テーマの内容を伝える
忘れてはならないのは、面接官は何人もの専門外の話を聞いているということ。
ちょっと想像しただけでもハードな仕事だ。なので面接官が一人の就活生の研究に使える頭の容量は僅かに限られる。
そのため伝える情報は最小限にしぼらなければ、こちらの研究内容を理解してくれない。
この点を強く意識しないと、化学知識あって主体的に研究してきた人でもしばしば落とし穴にハマってしまう。
情報をいきなり詰めすぎてしまうのだ。
いきなり言いたいことを詰め込みすぎると、結局なんなのかわからんみたいな状態になってしまう。
例えば研究の内容を説明し始めるときに
「私の開発した新医薬候補物質AはBとCという観点から、Dを想定したとき従来のEより活性が優れていて、またFを想定した時はGと活性が同等で毒性も低いので、Hに対して有望である事を見いだしました」
と説明を始めるよりも
「私の開発した新医薬候補物質Aは活性と低毒性を両立し、Hに抜群に効くことを見いだしました。」
と短くまとめて切り出した方が断然わかりやすい。
前者の方が化学的に正しく、後者が多少ミスリーディングだとしても企業の技術面接では後者を選ぶべきだ。どうしてもしたい細かい話はこの切り出しの後に続ければよい。
研究内容を一言でまとめ、結論を面接官に伝えてから内容を話だそう。
この”一言まとめ”をきちんと用意するだけで全然面接官の理解が変わってくる。
というのも面接官は一番大事な一言は理解してくれるのだ。
「まー専門じゃないから途中よくわからんけど、〇〇〇〇って事してたんだな、この子は」
と面接官が思ってくれれば十分。
細かい研究内容なんて面接官はそもそも興味ない(^_^;)
面接官が興味あるのは”どんな人か?”だ。
なので研究内容を厳密に100%伝える意味はないし、そもそも面接では時間が足りない。
とはいっても、研究内容を分かってもらえなければ「化学わかってないな」と思われてしまう。
だから研究内容を表す最初の”一言まとめ”をどれだけわかりやすくキャッチーにアピールできるか考えよう。
少なくとも私は研究説明の切り出しについてすごく考えた。
一言で自分の研究の内容が表すことができたら、後はその一言を示すデータや考察を説明すればいい。
まとめると技術面接の重要性は
最初の”一言まとめ”10秒が7割
他の細かい事20分が3割
くらいのウエイトだと私は思ってます。
そのテーマをどのように主体的に取り組んできたかを伝える
主体性は自分からあんまり言うのも不自然になりやすいので、主に質疑応答でアピールすることになる。
以下の質問は技術面接で頻出なので用意しておくといいと思う。
というか以下のような頻出質問に答えを用意しないのは怠慢だ。
研究の実用系質問
・この研究の実用性は?
・この研究なんの役に立つの?
・他の〇〇と比べて優位点は?
みたいな質問は「研究意義を主体的に今まで考えてきたか?」について試そうとしたものだ。
けど、ほとんどの大学の研究に実用性とか既存法に比べて明確な優位性とかないよな。(^_^;)
実はこの質問に無理がある。ただそれは質問する面接官も百も承知で、こういう多少無理気味な質問にもきちんと考えていて答えられるか見られている。
ちゃんと答えを用意しておこう。
どうしてもねぇよ〜という人はせめてその場ではバレない程度の作り話を用意しておこう(^O^)。
何考えてたのか系質問
・この研究で一番苦労した点は?
・あなたの行ったこの研究に対する工夫は?
・今後どういう風にこの研究が発展するの?またそれをするためには何が必要なの?
普段自分の研究に対して何を考えてどうアプローチしたか知りたい、というわけだ。
ここで答えるときもあんまり情報を詰め過ぎず、一言で答えられるようにしておこう。
研究哲学系質問
・研究するにあたってこだわりや気を付けていることは?
・研究していてうれしいときはどんな時?
・企業に入ってからどんな研究をどういう風にしたいですか?
これらは研究哲学を聞いてきているもので、素直に答えるしかないだろうな。嘘ついて通っても後で苦労するだけだし(^_^;)
ただ事前に考えておくことで、言いたいことがきちんと言えるはず。
備えがあれば憂いはありませんよ!!
技術面接で気を付けるポイントまとめ
技術面接で面接官に化学わかってると思ってもらうため、私が意識していたのはこのくらいか。
・常識は勉強しておく
・情報量は詰め過ぎず、簡潔に説明する。
・主体性をアピールするため、質問対策をしておく。
別に私は就活エリートではないのでこれくらいしか考えてなかったが、これくらいしておけばまじめに研究してきた化学系の学生ならどこかの企業でマッチングするだろう。
何かの参考になれば幸いです(*´▽`*)
大変だと思うけど頑張ってください☆
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