グリニャール試薬 / Grignard reagent
重要な有機金属試薬
学生実験でもお馴染み、
有機金属試薬の代名詞的存在だが、そのあまりの有用性に1912年、Victor Grignardはノーベル賞を受賞している。
グリニャール試薬を一言で言うと、調製が楽かつ高反応性の炭素アニオン等価体
図1. グリニャール試薬の概略
調製方法は極めてシンプル。
ハロゲン化物と金属マグネシウムをエーテル溶媒中で反応さ
このシンプルさ故、学生実験でもお世話になることが多い。金属がみるみる溶けていく様子は実に興奮する。
反応性は炭素アニオン
マグネシウムと炭素は電気陰性度に差があり、
そのため、
この試薬が有用である三つの理由
1. 幅広い炭素アニオン(求核剤)等価体を調製でき、合成的に有用
炭素アニオン種というとエノラートのような隣に電子求引基をもつ
2. 高い反応性
有機金属試薬はグリニャール試薬以外にも知られている。
反応性の順は
有機リチウム R-Li > 有機マグネシウム R-MgX > 有機亜鉛 R-Zn-R
有機亜鉛試薬は比較的安定で反応性が低く、
一方リチウム試薬と比べるとマグネシウム試薬は比較的マイルド。
3. 調製の容易さ
アルキル有機リチウム種を調製するためには、
一方アルキルマグネシウム試薬は、空気中で秤量しても大丈夫な金属
ソコソコ安定なもの二つ混ぜて極めて反応性が高いものが発生する
実験者にはホントありがたい!
また、
だが比較的最近ノッシェル法というグリニャール試薬をトランス
図2. ノッシェル法:トランスメタル化でグリニャール試薬を発生させる。
ノッシェル法は官能基許容性が広がってすごい!
ノッシェル法はトランスメタル化によって、
その結果、
なんて有用!
すげーぜ、ノッシェル。
こんな感じかなー
あとグリニャール試薬の調製実験は楽しいよね。
金属マグネシウムがみるみる溶けていって面白い。好きでした。
注意点としては調製時、かなり発熱する事が挙げられる。
暴走させると溶媒の噴水になっちゃうゾ★
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参考文献
(1) Arkady Krasovskiy, Paul Knochel, Angwe. Chem. Int. Ed. 2004, 43, 3333.
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