有機合成がつらい:もし研究テーマが好きになれないならどうしようか?

合成が好きになれない

質問箱にこんな投書が届いた。

“どうしても合成が好きになれないんですが、どうしたらいいでしょうか、、、”

んーわかる。。。あるよね、そういうこと。(-_-;)
私も学生の頃、似たような悩み抱えた時期はあるよ。

そういう時期ってつらいよな~
やる事なす事すべてが時間の無駄に思えるし、まわりとの摩擦ができて理解者がいない感じになるし。

私も他人事でなく、これからまたそういった悩みが出てくるかもしれないから、自分のためにも今思うことをまとめて書いておきたい。

 

何かあれば好きになれるのか?

きっと悩むくらいだろうから、好きになる努力とかもしたんだろうね。

結論から言うと残念ながら、おそらくあなたが今すぐ取り組んでいる合成を好きになる方法はありません。

好きになれないけどやらないけない状況なら、普通の人は「適当に距離を置いて、最低限だけやる」という選択肢をすぐにとります。そういう人なら合成のことを今一つ分かっていないだけの可能性があるので「ちゃんと合成に向き合って!」とか「合成はここがexcitingだぜ!」とか適当なこと言える。

しかし、あなたは「どうにかしたい」と思うほど、有機合成に向き合い、悩んだ末出した結論でしょうから、ここからあなたを合成大好き人間に変える手段はないと思ったほうが賢明だろうな~(~_~;)

でも「できればどうにかしたい」くらい現在有機合成をやらなあかんポジションでもあるんでしょうね~

そういうときは中長期的な損得を考えて行動すると今よりまだマシになると思います。

 

中長期的な損得を考える

こういう解決困難な場合は一気に全部解決する魔法の杖を期待しないほうがいい。
解決するなら多分悩んでないだろう。

だから、今よりましを積み重ねる方針にシフトしたほうがいいと思います。

有機合成やって得すること・やめて損すること

を書き出してみましょう!

例えばあなたが院生だとすると、、、

やって得すること やって損すること
・教授や助教授の機嫌が取れる
・同僚に目を付けられない
・化学のスキルと知識が身につく
・研究スキルが身につく
・時間がかかる
・精神的にきつい
やめて得すること やめて損すること
・時間ができる
・何か新しいことができる
・精神的に余裕ができる
・周りの機嫌を損なう
・就職活動で推薦がもらえない可能性
・化学の知識が身につかない
・研究スキルが身につかない

それぞれの事項は他人次第である問題(赤字)自分自身だけの問題(青字)に分けることができる。

今のまま有機合成を続けて一番憂う必要があるのは「精神的にきつい」という点だ。
健康な体と健全な心は何よりも宝なので、まずこれを一番大事にすべき。

ならば、自分を守るためにあきらめるべきは他人次第である問題(赤字)だろう。

往々にして我々は他人次第である問題について必要以上深刻に考えてしまうが、はっきり言ってこれは自分自身の問題よりはるかに重要度は低い上にどうしようもない問題。

考えるだけ時間の無駄。

他人の機嫌よくしても自分が疲れては本末転倒だし、推薦もらえない程度で死にはしない。推薦なくても就職すればいいし、万が一就職できなくてもバイトでもすれば死にません。(万が一よ)

自分自身だけの問題をどうにかすることに頭を絞るべきだろう。

 

投げ出さない

勘違いしないでほしいが、全部投げ出せというわけではない。むしろ逆で、今自分ができる最善を尽くしたらいいと思う。

他人の機嫌を取るのはあきらめよう!それは他人の問題だし。

自分のためになることにエネルギーを使いましょう。

化学でもいいし、化学でなくてもいいと思う。
でも、今たまたま有機合成やっているのはなかなか得難い機会なのでそれを活かすのもありかもね。

上の院生と仮定した例でいくと、化学の勉強や研究スキルの習得はやってもいいかもよ?
この時、有機合成の事を好きになる必要はない、有機合成はスキルや知識を身につける作業だ。先生や同僚からの目線のためでなく、自分自身のために有機合成できれば、有機合成を好きにならなくても意義を見出して取り組むことはできるはず。

おすすめは自分でテーマ考えてみることかな。

どんなしょうもないテーマでもいいから自分で一つテーマを考えてみよう!
先生の言うこと聞いてなんかするより100倍力つくよ(^O^)!!

もちろん他に身につけたい化学以外のスキルがあるなら、それを始めてもいいと思う!!

他人の顔色気にすることにエネルギー使うことはやめて、自分のためにエネルギー使いましょ!!(^O^)!!!

「嫌われる勇気」は一度読んでほしい。おすすめだよ。

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