助教からも説明しよう
研究室配属を前にした三年生の情報の偏り
理系の大学三年生は、そろそろどんな研究室に志望をだそうか考えている時期かもね。
ただ、最近思うのは三年生の情報の偏り。
三年生の情報源は主に3種類
①教授の授業の様子
②先輩からのうわさ
③研究室のHP
いずれも大事な情報が得られるので、間違いではないんだけど、最近一つ問題と思うことが。
一番密にやり取りして、一緒に研究をする助教や助教の考えに関する情報がほとんどない。
せいぜい学生実験くらいか?
とはいっても学生実験というのは大体楽しくやりたいものなので、体よくするし、研究のスタンスや考えはわからんと思うんよなぁ。
振り返れば、わたしも配属される研究室の助教の先生をまったく知らないまま志望届を出したなぁ(^_^;)みんなもだいたいそうよね?
助教と考えがあわないと、それはそれで結構大変だったりすることも多いと思うんです。
実際に、そんな考えでうちの研究室来て、ぼくと一緒に研究することになったら大変やで・・・みたいな三年生の話もちらほら。
「こんなはずじゃなかった~」的なことをさけるためにも、若手スタッフこそできるだけ情報発信していった方がいいと思います。
言い出しっぺからやれ、って話なので、今日はうちの研究室と私のスタンスを、私自ら学部生向けに紹介してみようかと思います!(^O^)
どんな研究してるの??
うちの研究室は有機化学の研究室なわけですが、大きく二つの研究の軸があります。
とんでもない分子を作る
誰もが見たことない分子を作ったろう!という研究です。
例えば、下の分子は二つのアニオン性のケイ素が連結した通称”阿修羅結合”!!
反発してしまいそうな二つのアニオンが連結して、二つのケイ素から手が八本もでている、まさに前代未聞のとんでもない分子。
続いて、こちらは光るアゾベンゼン。
アゾベンゼンは一般的に光らない分子とされていますが、ホウ素を適切な位置に導入することで光るアゾベンゼンの開発に成功!
上記の分子はほんの一例で、現在も様々な「世界のだれも見たことのない分子」を合成しています。
とんでもない方法で分子を作る
さっきは作った分子に興味があったわけですが、”分子の作り方”も研究しています。
具体的には、「電子を動かす」というアプローチで新反応開発に取り組んでいます。
試薬や触媒などを用いないでも、反応が可能になります。
開発した反応は従来法では考えられない”とんでもない作り方”を可能にします。
下の分子は、私の開発した有機反応を用いて合成した生理活性物質(簡単にいうと薬とかそれに準ずるもの)で、従来法を用いた場合よりも、効率よく合成することができます。
現在は電子を動かすだけでなく、典型元素化学や光化学の知見を駆使したさらにとんでもない”分子を作る方法”を見つけようと研究しています。
セミナー等は?
セミナーは週一回、毎週金曜日に行っています。
研究進捗報告:2~3週間に1度当たるくらいの頻度
実験の結果をPowerPointのスライドをもちいて報告してもらいます。
文献紹介:年に2~3度くらいの頻度(予定)
最新の論文を読んでその内容や背景をPowerPointのスライドをもちいて発表してもらいます。
他に勉強会として毎週土曜に文献抄録を行っています。
文献抄録:2週間に1度当たるくらいの頻度
最新の論文を読んで、その内容をA4一枚にまとめて発表し、聞いていた全員が発表者に質問します。
たぶん、頻度の多い文献抄録が大変だと思いますが、論文読むスキルは絶対必須なので私と一緒に頑張りましょう。
どんな人が楽しめる研究室か
「研究したい!」って人は間違いなく楽しめる研究室だと思います。
その理由は以下の三点
新しいテーマ
うちの研究室は2018年4月発足ということで、新しい研究室です。
なので新しいテーマが多く、修士と合わせて三年間頑張れば「10年、20年と取り組み続ける研究の元祖」にあたる研究ができる、、、かも!!(実際、可能性は低くないと思うよ)
この状況は当然今だけなので、すごくいい時期だと思います。
少人数ゆえの研究指導と研究環境
研究指導はかなり細かくフォローできます。というのも研究室発足したてということで人数が少なく、学生一人当たりに対してスタッフとディスカッションできる時間が長いです。
また同様の理由で、一人当たりの使える実験領域や装置・器具の数はかなり余裕があり、効率よく研究できます。
ここ重要だと思うよ、まじで。
この状況も今だけ!!
比較的自由な雰囲気
進んで研究・実験する人にはかなり自主性を重んじています。
よくがんばって、よく遊んで、よくがんばりましょう!
とあるうちのM1の学生は普段夜遅くまでガツガツ実験してますが、稀に早く帰る。どうやら飲みに行ってるようだ。(^_^;)
ただ、進んでやらない人にはちょっと厳しいかもな。
私のスタンス
理系大学の使命は優れた”研究者”を社会に輩出することと考えています。
ここでいう”研究者”は化学限定の狭い意味でなく、答えのない問題に対し、論理的思考と仮説で次の一手を考えられる人間のことを指します。
この定義に従えば、お笑い芸人はもっと面白いことを探す研究者ですし、料理人はもっとおいしいものを探す研究者です。
また子育てする人は、子供の最善の成長を考える研究者でしょう。
世の中、答えのない問題に挑む”研究者”だらけです。
研究室で取り組む研究は、答えのない問題に立ち向かう能力を鍛える最高の題材であると私は信じています。
だから、一緒に研究する学生には「研究しよう、もっとやろう、もっと考えよう」ということを強く求め続けます。
どんな人でも、どんな状況でも、言い続けるでしょう。
願わくば、一緒に有機化学バカになれたら楽しいなぁ、なんて思ってます。
他にもいろいろ聞きたいことがあればメールくれても、直接来てくれてもいいと思います。
是非是非一緒に研究しましょう!
とりあえず書いてみましたが
どうでしょう?
こういうことを世の若手スタッフがみんな発信したら、学部生は結構マッチした研究室選びやすいと思うんですよね。
でも、みんながブログやるわけもないしな・・・
あ、researchmapの活用をすれば・・・
ん~無理そう(^_^;)
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