バーチ還元にアンモニアは不要!!クラウンエーテル+Naによる溶媒和電子の発生

   

A Practical and Chemoselective Ammonia-Free Birch Reduction

Org. Lett. 2018, 20, 3439.

Peng Lei, Yuxuan Ding, Xiaohe Zhang, Adila Adijiang, Hengzhao Li, Yun Ling, and Jie An

バーチ還元したことある??

バーチ還元
金属ナトリウムなどのアルカリ金属を液体アンモニアに放り込むと溶媒和電子が発生し、溶媒和電子の強力な還元力を利用した反応が可能になる。


図1. 古典的バーチ還元(論文より引用)

教科書でも習うこの反応はベンゼン環の還元など他の反応で代えが効かないことから、しばしば全合成などでも登場する。
有機化学やってる人間ならバーチ還元の有用さに疑問は抱くまい。

だけど、この反応を好んでやりたがる人間は少ないだろう。
原料をバーチ還元で作るにしても、極力ほかの方法で作れないか考えた後、どうしても無理そうならしょうがなくバーチ還元で合成することになる。

なんといっても、溶媒に沸点-33度のアンモニアを用いる時点で憂鬱だ。
つまり、健康にいいとは言えないアンモニアを溶媒量用い、ガスから冷却して液体にしつつ反応に用いるんだって。(^O^)・・・
やりたくねー・・・
あと、最初にこの条件ためしたArthur John Birch先生はなかなかぶっとんでますよね。。。(^_^;)

こういった理由でバーチ還元は誰もが知っている反応でありながら、やったことある有機化学者は過半数超えないのではないか??

何を隠そう私もやったことありません。

 

まさか2018年に進化するとは

そんななか「おまえもバーチ還元してみろよ!これならできるやろ!?」と、言わんばかりの論文が報告された。

報告したのはJie An先生で、中国のグループからの報告。

金属ナトリウムにクラウンエーテルを作用させることで、なんとTHF中で溶媒和電子が発生し、バーチ還元できることを示した。

つまりアンモニアが不要!!


図2. クラウンエーテルを用いたバーチ還元(論文より引用)

ええぇ!??まじ??(゜o゜)

金属ナトリウム単体との反応性の違いは明らかで、クラウンエーテルを入れておくと、アミドに優先して芳香環が還元される。

まさにバーチ還元!


図3. バーチ還元としての反応性(論文より引用)

ずいぶんシンプルな工夫で夢のようなことができるんですね・・・!!

まじで一回やってみようかなぁ??

 

所感

ん~このような条件でできるんっすね~
できるなら、はるか昔から知られててよさそうなもんだが。
2018年になるまでこのやり方はなかったのねぇ~意外や意外。

最近まで金属ナトリウムすら使ったことなくて怖がっていた私ですが、なんと学生実験で金属ナトリウムを扱う経験ができたので、もうこの条件ならばバーチ還元できそうです。(^O^)

間違いなく今後いろいろなところに用いられるであろうこの条件。

私はもう勝手に OL of the year に選びました。

 

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