文献紹介におけるGoogle翻訳の使い方:論文翻訳における不自然な言い回しについて。

   

Google翻訳に使われてはならない

論文読むうえでの21世紀の新ツール

私のような30歳の人間より上の世代と、私より若い世代は論文の読み方が大きく変わっているのだと思う。

翻訳ツールの劇的進歩だ。

昔のyahoo翻訳やexcite翻訳はくそ過ぎて、ほとんど使い物にならなかった。
論文を昔の翻訳ツールで日本語に変換しても、その日本語の理解のほうが困難である始末。なのでたとえ英語が苦手でも、論文は英語で読まなければならなかった。

ところがここ何年か大きく発展したディープラーニングの成果で、google翻訳の精度は驚異的に進歩している。

その結果、英語を読む苦労より、google翻訳で出力された日本語を読む苦労のほうが小さくなり、今の我々の研究室の学生も文献紹介をするときに大いに活用しているようだ。

論文はとりあえずGoogle翻訳、これが21世紀の文献紹介の姿なのかもなぁ。

 

文献紹介でGoogle翻訳使うことに対する是非

これは個々人考え方の違う部分かもしれないね。

私個人の意見を述べると、論文読むのにGoogle翻訳を使うことは全然あり。

というのも、翻訳ツールは今後ますます進歩して、英語読めるスキルはどんどん重要性が小さくなっていくと思っているからだ。
むしろgoogle翻訳という新しいツールをきちんと使いこなせるスキルのほうがむしろ大事とすら思っている。

ただ、この”きちんと使いこなす”ってのが重要で、お粗末な使い方をするなら思考停止を促す最悪ツールになる。

 

google翻訳使ったときの落とし穴。

実際にgoogle翻訳を使ってみよう。

It is well-known that boronic acids form covalent bonds with 1,2- or 1,3-diols to generate five- or six-membered cyclic boronic esters under mild and neutral conditions. Therefore, boronic acids such as phenyl boronic acid and polymersupported boronic acids have been used as protective or transient masking agents for diols.

Org. Lett. 2018, 20, 6064.より引用

 

ボロン酸は、1,2-または1,3-ジオールと共有結合を形成し、軽度および中性条件下で5員または6員の環状ボロン酸エステルを生成することはよく知られている。 したがって、フェニルボロン酸のようなボロン酸およびポリマーで補助されたボロン酸が、ジオールの保護または一時的マスキング剤として使用されている。

上記の文をgoogle翻訳で日本語へ変換

すげぇ!専門性の高い内容なのにだいたいあってる!(゜o゜)

masking agent をちゃんとカタカナ使ってマスキング剤と訳すのか・・・これは実用的だわ。

ただやっぱり気になるところもあるよね。赤くした部分は日本語として不自然な部分。

mild and → 温和かつ
polymersupported → ポリマーに担持された

くらいが適当だろう。

特に”ポリマーで補助された”の部分はこのままでは全く意味不明。
まぁ、専門用語だし、完全な翻訳はいまだ課題なのだろう。

ただ、こういう日本語として全く意味が分からない表現を文献紹介で使ってはならない。

これは・・・やってしまう気持ちわからんでもないけど、完全にgoogle翻訳の言うことを鵜呑みにして思考停止している状態。
こんな表現を他人の前で発表するのは「わたし何にも考えてませんよ~」というようなもの。

文献紹介はただの翻訳作業でなく、あくまで自分の責任で最新論文を紹介するもの。
自分の言葉には責任を持ちましょう。

google翻訳は便利だが(便利だからこそ)、自分の納得できる言葉に再翻訳しなければならない。

 

ベターなgoogle翻訳の使い方

まず意味不明な表現は文献紹介に使うべきでない。
担当者が意味わかってなくて、他人にわかるはずないからね。

ではgoogle翻訳使って意味が分かりにくい不自然な日本語があった場合、どうすればいいのだろう?

わりと簡単。まずgoogleで検索すればよい。

そうすれば

mild → “穏やかな”という意味があることがわかる
polymersupported → “ポリマー担持の”で使われていることがわかる

これで9割はわかると思うよ!ヽ(^o^)

それでもわからなければ先輩か先生に聞けばよい。(逆に言うとググったら一瞬でわかること聞くとイラっとされるかもだから注意)

これによって”自分が納得できる日本語”で文献を紹介しましょう。

 

新しいツールを認める事とうまく使うこと

これから人工知能の進歩とともに、新しいツールをどれだけうまく使えるかが重要になると思うんだよね。

今回取り上げたgoogle翻訳ですが、実は悪い翻訳になるところ探すのに結構時間かかった。
まじで翻訳レベル上がっていることを実感。

使ってない人も騙されたと思って一度試してみてよ。めっちゃ驚くと思う。

今後翻訳に限らず、様々な場面で新しい技術が開発されるだろう、しかもアプリという誰もが利用できる形で。
これからこういった技術がなくても大丈夫になるより、いち早く取り入れて使いこなすスキルが大事になると思う。

ただ、忘れてならないのはこれらはあくまでツールなのだから、使用者が使いこなさなければならない。

ツール使っているつもりが、気が付いたらツールに使われていた・・・
なんてならないようにする心構えが大事だと思った、今日この頃。(-ω-)

 

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