ChemDrawの基本的な使い方をマスターしよう
ChemDrawによる作画は手早くね
有機系の研究室に配属されれば、まず間違いなくお世話になるのがChemDraw。
有機分子の構造を美しくかけるこのソフトはマジで優秀。フリーソフトを使って有機分子の作画に二年間苦労した私が言うので間違いない。普通に構造式を書くだけなら一時間も触ればできるようになるだろう。しかし、ChemDrawのすごいところは、「手早く構造式を書ける」ところにある。
この記事では、初めて使う人にとって、習わないと知らないようなChemDrawの基本機能やテクニックを紹介する。
ChemDraw以外でも使える汎用的なショートカットキーは使えるショートカットキー!Office:四回生必修編を見てください。ChemDrawでもこの記事のショートカットキーは使えるので、絶対読んでね。特にctrlやshift+ドラッグは非常に便利になるので、使いこなそう。
重要基本テクニック
Objectバーを使いこなせ
反転、等間隔整列、端揃え、レイヤー操作を使いこなすことは重要だ。
反転
等間隔整列
端揃え
レイヤー操作
ちなみにF2,F3がショートカットキーに対応している。これも便利なので覚えておこう。
Style bar の CH2 は自動で下付き文字になる
分子式を直接書けるので、数字の下付きをいちいち設定する必要がない。
C6H14O2と入力すれば、自動でC6H14O2となる。上手に使いこなしましょう。
得する設定
自分のスタイルシートを作る。
ChemDraw ひらく > file > open stylesheet > 元とするスタイルを選ぶ > document > file > documents setting で設定いじる > save stylesheet
これで自分の好きなスタイルを作ることができる。うちの研究室ではスライド用の設定として、
元のstyle : ACS document
hight 10 width 10 : 領域を広くする
drawing > line width 0.4 : 構造式の線を太くする
作ったstyle名 : ACS document presentation
というスタイルを作って、その形式で発表スライドを作ってもらっている。
得するショートカットキー
直接元素入力
ChemDrawはかなりの元素入力がショートカットキー対応している。多くの場合いちいち文字入力を選択せずに、元素を入力できる。
便利なので絶対覚えよう。
結合の多重度の直接入力
結合にカーソルを合わせて、キーボードで数字を入力することで結合の多重度を変えることができる。
1: 単結合
2: 二重結合
3: 三重結合
化合物ダブルクリック
化合物全体を選択することができる。いろいろ重なっていても、その分子だけを選択できる、基本だ!
ctrl + J
Shift+クリックでつなげたい二点を選択し、Ctrl+Jを入力すると、二つの点をつなぐことができる。実は私この機能を最近知ったんですが、ちょー便利です。
得する機能
structure > clean up structure
上タブ>structure > clean up structure で雑に化合物書いても、修正してくれる機能がある。こみいった化合物に適用すると逆に変になることもあるが、わりと便利な機能だ。一度で綺麗にならなくても、何度かすると綺麗になるかも。
view > show analysis window
選択した化合物の分子式、Exact MS、分子量、MSのピークパターン、元素分析などを見ることができる。反応仕込むときや、実験項を書くときめちゃくちゃお世話になる機能だ。
割と知らない人が多いが、decimalsをいじることでExact MSの桁数を増やすことができるぞ。
pen tools
自在な曲線を描くことができる。慣れるまで勝手がわからず難しいが、反応式の曲がった矢印を書くときすごく便利だ。
ごく基本的な使い方を説明する。
・始点とそこからのベクトルを決める。
・終点とそこへのベクトルを決める。
これだけでいい感じの曲線を描いてくれることがわかるだろう。
書いた曲線を選択し、右クリックからFull Arrow at Endを入力すると、矢印になる。綺麗な曲がった矢印を書けたかな?
とりあえずここに書いてあるものは覚えよう
まだまだ機能が盛りだくさんのChemDraw。真にすべてを使いこなすレベルになるのは大変で、私も全然知らないことが多いが、ここに書いてあることくらいはできるようになろう。
分子を書くのは楽しいけれど、基本的に無駄な時間なので、できるだけ”手早くきれいに”書いて時間を節約しよう!ヽ(^o^)丿
関連記事
(1) 使えるショートカットキー!Office:四回生必修編
●他の学生必修事項まとめはこちら
外部リンク
(1) Chem Station: ChemDrawの使い方 【基本機能編】
(2) Chem Station: ChemDrawの使い方【作図編①:反応スキーム】
(3) YouTube: ChemDraw Magic – Draw Viagra under 20 sec (with subtitles) ChemDrawを極めるとこうなる。英語勉強がてらどうぞ。
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