フリーデルクラフツ反応 と芳香族求電子置換反応 / Friedel–Crafts reaction & Electrophilic aromatic substitution

      2018/02/18

フリーデルクラフツ反応 と芳香族求電子置換反応 / Friedel–Crafts reaction & Electrophilic aromatic substitution

 

みんな1つは好きな反応ってあるよね!


私はフリーデルクラフツ反応をはじめとした芳香族求電子置換反応が大好きだ!

芳香環に官能基を直接ぶち込む豪快さがたまらない。

電子的な効果が位置選択性にすごく影響する点も有機化学の面白さが詰まっていて好きだ。

 

反応概要

求電子性のカチオン種が芳香環に直接導入される。


図1. 芳香族求電子置換反応の典型例:フリーデルクラフツアルキル化

 

反応機構


芳香族求電子置換反応(SEAr反応)とよばれる機構で反応が進行する。

1. カチオン種を発生させる。多くの場合はルイス酸やブレンステッド酸を用いる。
2. カチオン種が芳香環の電子豊富な位置へ付加する。
3. アレニウムイオンからプロトンが脱離し、置換生成物が得られる。

図2. フリーデルクラフツ反応のメカニズム。

 

位置選択性について


位置選択性は芳香環の電子状態で決まる。

フリーデルクラフツ反応の鍵中間体であるカチオン種は求電子的なので、芳香環の電子が豊富な位置で反応する。

メトキシ基やアルキル基のような電子を押し出す官能基はオルト/パラ配向性を示し、反応も極めて進行しやすい。


図3. 電子供与基のついた芳香族化合物に対するフリーデルクラフツ

 

逆にニトロ基やケトンなどの電子を引っ張る官能基はオルト パラで反応しにくくなりメタ位で反応する。

この時のポイントはメタ位で反応しやすいわけでなく、オルトパラが反応しにくいので仕方なくメタ位で反応すると言う事。
そもそもの反応自体も進行しにくい。

ハロゲンは少し変わっていて、誘起効果で電子を引っ張って、共役で電子を押している。
その結果、反応は遅くなるがフリーデルクラフツ自体はオルト/パラで反応する。


図4. 電子求引基のついた芳香環とハロゲンのついた芳香環の反応位置。

 

なかなかはじめはややこしく思えるけど、芳香環の電子状態はいろんな分野で大事になるので、フリーデルクラフツ反応はよい勉強材料だ。

 

過剰反応について


フリーデルクラフツ反応でアルキル基のような電子供与基を導入すると、生成物は原料より電子豊富になる。

フリーデルクラフツ反応は芳香環上の電子が豊富なほど反応しやすいので、この場合、 生成物のさらなるフリーデルクラフツ反応が進み、過剰反応が起きてしまう。


図5. フリーデルクラフツアルキル化の問題点:過剰反応が進行し、ポリアルキル化が進行する。

この過剰反応のため、フリーデルクラフツアルキル化は制御の難しい反応として知られている。

一方、電子求引基を導入する場合は逆で、生成物の反応性が低くなる為、過剰反応は起きない。
そのような理由から反応の制御がしやすく、フリーデルクラフツアシル化やニトロ化、ハロゲン化などが合成的によく用いられる。


図6. 電子求引基を導入するフリーデルクラフツアシル化:過剰反応を防ぐことができる。

 

フリーデルクラフツ反応の不遇を嘆く

金属触媒を用いたC-H官能基化の研究がすごく盛んな現代。

悲しいことにC-H官能基化の定義を決める際「ただし、フリーデルクラフツ反応のような芳香族求電子置換反応は除く」という注意書きがよくしてある。

で、フリーデルクラフツ系の反応機構の論文がC-H官能基化と名乗ると「これ、フリーデルクラフツじゃん?」と叩く人が出てくる。

これ、なんでや?

フリーデルクラフツはCH官能基化の言葉の意味を完全に満たしていると思うんですけど(^_^;)。

まー、言いたい事はわかるんです。金属触媒でフリーデルクラフツのような芳香族求電子置換反応にできないことできたんですもんね。
古典的反応と違うって主張したいのはわかる。

ただ、フリーデルクラフツ反応からC-H官能基化の名前を取り上げなくてもいいと思うんです。

んー、そーだなー
フリーデルクラフツ反応のような芳香族求電子置換反応を「古典的C-H官能基化」というふうに扱ってあげよう!

以上、フリーデルクラフツを愛する男の提案でした。(^^)

 

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