超原子価ヨウ素を空気でつくる

      2017/12/02

Oxidase catalysis via aerobically generated hypervalent iodine intermediates

Nat. Chem. 2017, ASAP. doi:10.1038/nchem.2873
Asim Maity, Sung-Min Hyun and David C. Powers

 

強力な酸化試薬である超原子化ヨウ素。
デスマーチン試薬によるアルコールの酸化など合成に便利な反応も数多く報告されているし、最新の反応開発でも度々登場する。

有機化学においてもはや欠かす事のできない試薬であるが、今日はNature chemistry 誌に報告された超原子価ヨウ素の新しい合成法について紹介する。

なんでも空気とアセトアルデヒド、ヨードベンゼンから超原子価ヨウ素ができたらしい。

超原子価ヨウ素はそれ自身に爆発性があり危険であるが、さらに合成するためには一般的に危険な原料を用いる。
例えばジアセトキシヨードベンゼンはヨードベンゼンに爆発性の過酢酸を反応させる。
実験室ならまだしも工業的なスケールを考えると相当やばそうだ。

もし、空気で超原子価ヨウ素を合成できたら、、、工業的にすごく有用になりそうだ。

そんな夢にチャレンジしたのが今回の論文。
著者らはアルデヒドの空気酸化に注目した。
アセトアルデヒドは空気によって酸化されることはよく知られているが、それを超原子価ヨウ素の合成に応用したのである。

 

反応はかなりシンプル。

ヨードベンゼンとアセトアルデヒドを室温で一日回しておくだけ。
コバルトはラジカル連鎖反応の開始剤らしい。
こんなに簡単な操作で超原子価ヨウ素が高収率で得られる。

図1. 超原子価要素の空気合成

まじか!すげーな。(°_°)

ありそうだけどなかったこのアイデア。

添加剤や用いる基質を変えることでいろいろな超原子価ヨウ素の合成もできる。

図2. 基質適用範囲。いろいろな超原子価ヨウ素を合成できる。

これホントすごくいい合成法じゃない!??

 

さらに本反応を応用することで、様々な超原子価ヨウ素特有の反応をヨードベンゼンを触媒とした空気酸化の反応に置き換えられる可能性がある。

例えば下のようなアミド基を有するアニソール類を触媒量のジヨードベンゼンとアセトアルデヒド存在下空気中で攪拌すると環化生成物が得られる。
超原子価ヨウ素特有の反応が空気によって廻るということになる。

図3. 超原子価ヨウ素の反応を空気酸化にする。

はぇ~これはいいな~(^o^)

 

空気で超原子価ヨウ素を合成する本手法。
安全面からすごくいいと思います!(アセトアルデヒドの毒性は気をつけなければならないが)

ホント超原子価ヨウ素の優れた供給法になるかもしれないですね(^_^

あと触媒で回る点は単純に機構として面白いし、これからいろいろ幅広い応用があるのかもしれませんね。

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