もろぴー なんでも研究ちゃんねる 第二回
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香りの芸術:香水
香水について思いを馳せよう
香水は紀元前から利用されていたし、現在でも我々の暮らしと密接に結びついている。これまでに様々な香りの香水が世に出てきた。
しかしながら、僕らは香水について、「いい匂いかどうか?」くらいしか考えない。
そこで、今回は「そもそも香水って何からどうやって作るのだろうか?」ということを書いていこうかと思う。
香水とは何か?
香水とは何か?というとズバリ、「いろいろな香料素材の混ざりもの」ということになる。
香料素材とは料理で言うところの塩、砂糖みたいなもので、それだけだと別にいい匂いでないが、いろいろな香料素材を巧みに組み合わせることで、いい匂いを作ることができる。
ではどんなものが香料素材になるのだろうか?
香料素材は大きく二つに分けることができる。
合成香料
合成香料は人間が、フラスコの中で作る香料をさす。特徴としては単一の成分で、非常に安価。
例えば、下のリナロールは下式のように人工的に合成される。
図1. リナロールの合成
リナロールはさわやかなお花の香りで、非常にいい匂いだ。
他にもハッカの香りでおなじみメントールは下式のように合成される。不斉反応が盛り込まれた芸術的な合成だ。
図2. (l)-メントールの不斉合成
あと、誤解無いようにしたいが、多くの合成香料は天然でとれる成分の一つを人工的に作っていることがほとんどで、合成だからって体に悪いなんてことはありえない。むしろ純度は天然香料よりはるかに高い。
合成香料 ≠ 悪 ← これ重要
天然香料
天然香料は、天然の花や、植物、動物などからとれる香料をさす。特徴としては、それ自体がいろいろな成分の混ざりもので、値段が高い。
例えばローズオイルブルガリアンという天然香料素材は、バラの花を大量に摘んで、それを水蒸気蒸留で、香気成分を抽出したものとなる。めちゃくちゃ貴重でめちゃくちゃ高い。主成分はゲラニオールやシトロネロールなどで他にもダマセノンなどが含まれています。
図3. ローズオイルブルガリアンの成分
ちなみにオイルの量は1Lとるのに、どれくらいバラの花がいると思う?
なんと3トンだって(´▽`)。当然、価格もめちゃ高い。市販価格を調べると100mLで80万円こえてる )^O^(
図4. 薔薇の採取イメージ:沢山薔薇をつんでもローズオイルはちょっとしか取れない。
他にも霊猫香とよばれる天然香料素材は、なんと「ジャコウネコの肛門近くにある分泌腺からとれる物質」です。主成分はシベトンという有機分子だそうです。
図5. 霊猫香の主成分:シベトン
これも実際かいだことあるんですが、単品だとめちゃくちゃ臭いが、薄めると、なんだかすごいセクシーで、高級感を感じるにおいになる。ホント不思議。実際に、霊猫香は香水にも、香りに高級感や独特さを与える目的で使われているそうです。
図6. 霊猫香はあの有名ブランドの香水にも使われているらしいよ。
香水を作る
これらの素材を混ぜて、調香師(パフューマ―)という香りの職人が、試行錯誤をしながら一つの香りを作り上げる。
使い方としては
合成香料:安価で種類も豊富 → 香水の主成分として用いる
天然香料:高価であるが合成香料では不可能な奥行きを与える → 少量用いて、香水にアクセントを加える
現実的な価格を考えると合成香料を主成分にせざるを得ないが、合成香料だけだと、安っぽい偽物感のある香りにしかならない。そこに天然香料を加えることで、リアルで本物感のする高級な香りが出来上がる。
香水を作るには合成香料も天然香料も欠かすことができない。
つまり香水は、「科学の力と自然の恵みを組み合わせて作っている」ということだったんだ。
そういうことを知ると、香水が今までよりちょっとありがたいものに思えるよねヽ(^o^)
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参考文献
(1) 香料と調香の基礎知識、中島基貴 編著、産業図書
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