My Research
イオンを用いた有機分子変換
研究モチベーション
小さな分子を組み立てることによって、医薬・香料・農薬・プラスチック・有機ELなど、我々の生活を支える分子を生み出すことができる。
分子を組み立てるためには、分子を変換する手法(有機分子変換法)を欠かすことはできない。そのため、過去の偉大な研究者によって、さまざまな有機分子変換法が開発され、有機合成は日々進歩してきた。その進歩の速度は驚異的だ。
ちょっと昔では考えられなかったような、高選択性かつ高収率の、完成度の高い有機分子変換が連日のように報告されている。その結果、有機化学の分野において、目に見えたわかりやすい問題は少なくなってきている。
この成熟した有機化学という分野において、私が目指すのは、定跡からはずれたような有機分子変換を見つけること。
そして、ささやかでもいいから新しい価値・工夫を提案したいなぁ、と思っている。
私の研究モチベーションはそんなところ。
イオンを用いた分子変換
私は学生時代培った経験と、所属する狩野研究室の知見を活かし、イオンの特異な電子状態を利用した有機分子変換の開発を進める。
その具体的な成果は徐々に明らかになっていくだろう。
New sulfonium salts
新しい硫黄試薬が新しい分子変換を可能にする
・Chem. Commun. 2020, 56, 13995-13998. (https://doi.org/10.1039/D0CC05830K)
解説記事はこちら
Alkylsilicates bearing C,O-bidentate ligands as alkyl radical precursors
古いシリカートが新しいラジカル前駆体になる。
・Chem. Commun. 2020, 56, 10006-10009. (解説記事はこちら)
・Chem. Eur. J. 2021, accepted. (解説記事はこちら)
Overcoming redox potential limitations in photocatalytic reactions
弱い酸化力の光触媒で高い酸化電位の基質を酸化することができる光触媒反応。
・Org. Lett. 2020, 22, 2822-2827.
解説記事はこちら
C5 chemistry
ユニークなドナーアクセプター電子構造を有するストレプトシアニンをC5源として用いる分子変換法を開発する。
・Chem. Commun. 2019, 55, 8575-8578.
解説記事はこちら
Others
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